上映情報

東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻 第12期​修了制作展

【渋谷】ユーロスペース

​2018/3/7(水) 21時〜

(西川達郎監督『向こうの家』との2本立て)

※23時半頃終了予定

3/9(金) 21時〜

(キャストによる舞台挨拶+上映後のゲストトークあり)

トークゲスト:黒沢清(映画監督)

※23時頃終了予定

Story

12年前の事故以来、秀人は弟・雅人を避けるようになっていた。

数年ぶりに故郷を訪れた秀人は、ここにいるはずのない雅人の姿を見る。

「あの日のこと、覚えてる?」

雅人はそう秀人に尋ねると、秀人を事故の場所へと連れて行く。

忘れている記憶と、覚えているつもりでいた記憶。

​秀人は12年前のことを、徐々に思い出していく。

 
 

Cast

市原 秀人

井上 翔太

Shota Inoue

市原 雅人

清水 尚弥 

Naoya Shimizu

市原 裕子

谷口 蘭

Ran Taniguchi

市原 やよい

大沼 百合子

Yuriko Onuma

岩井 由紀子

宍倉 暁子

Kyoko Shishikura

川瀬 ハルキ

石井 釉月

Yuzuki Isii

川瀬 ヒロキ

江﨑 政博

Masahiro Ezaki

岡澤 モエ

榊 あいみ

Aimi Sakaki

モエの母

三坂 知絵子

Chieko Misaka

 

Staff

監督:大杉拓真

脚本:中野みづほ プロデューサー:井前裕士郎

撮影監督:薛白 照明:李子瑶 サウンドデザイン:内田雅巳 音響効果:畢璽

音楽:大橋征人 美術:王慧茹 小道具:堀千夏 

衣装:栗田珠似 ヘアメイク:志田季美奈 編集:戴周杰

 

Trailer

 

Theater

 

Comment

本来なら共存できるはずのない二つのものが、1カットの中にいっしょに映っている。

一方が現実だとして、ではもう一方は? 幽霊でも幻想でもないようなのだが、ではそれはいったい何か。え!ひょっとして生き霊?…と思って警戒しながら見ていると、停留所の前で、やってきたバスの向こうを歩いている少年たちが突然消え失せた。驚いた。しかも全ての出来事は明るい陽光が照りつける中で進行する。まるで白夜のようだ。これだから大杉映画は油断がならない。

黒沢清(映画監督)

一人の男が、寝転がっていた床から起き上がり、フラフラと階段を降りて、冷蔵庫に入っていた梨をほおばり、家から出てゆく。そんな日常的な家の情景が、とてつもなく異様な描写であることがやがて明らかになってゆく。自転車で通りかかった葬式に参列する少女。寄り添う二人の少年がいる。彼らは近所に住む子供達だが、同時に男と彼の兄の消し難い過去の出来事を生きている。そしてその弟自身が、実は別の場所に生きている幻影なのだが、実際には存在しないはずの弟が、過去とも現在ともつかぬ少女と手を取り合って森に入ってゆく時、私たちは現実と幻影と現在と過去の徹底した錯乱状態の中に置かれ、集団的なトランスとも言える時空に迷い込んでいる。実は全く過去のような質感ではない、カット・バックという映画の時間表現を拒否し、過去を生きられる現実として現在に招き入れようとする果敢な挑戦である。過去は、克服されたように見えるが、謝罪の契機は永遠に失われた。過去は新しい家族の幸福とともにまた生き続けるだろう。

諏訪敦彦(映画監督)

ある朝、目を覚ますとすごく気分が悪い。なんだか嫌な夢を見ていたようだけど、内容は全然覚えてない。物語が進むにつれ、その時の居心地の悪さを思い出す。もうすぐ子供が生まれる男の家族の周辺では、一つのはずの世界が分裂と融合を静かに繰り返す。そしてこの映画は常にその間に立ち続ける。物事が解決して世界が一つになっても、自分と他者の身体は、居心地の悪さとともに残る。でもこの居心地の悪い身体と共に生きていくことしか私たちにはできない。バスの向こう側に消えた少年は、今、私たちの体の中に宿っている。

 

五十嵐耕平(映画監督)

 

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